ユーロは本当に弱いのか?

   

今は東京市場が急落しているので、その話題でもちきりなのですが年初から私はユーロが本当に弱いのか?ということに非常に疑問を持ちます。ユーロが弱いということはすなわちドルが強いということに他ならないのです。ドルが強いことには特に異論はないのですが、ユーロが弱いことには承服しかねるのです。

 

ユーロはまだ金融危機の最中!?

ユーロが弱いということは、ドルが強い。これは通貨の取引においてはユーロドルの取引金額の50パーセント弱を握っていることに由来します。ドルインデックスなどは世界各地の取引所に上場されていますし、FRBのインデックスの中にもドルインデックスがあります。

つまり、どのドルインデックスにおいてもドルに対してのユーロの強さが比率にして半数近くを占めるので相対的にドルに対してユーロの弱さが際立つというも理解できます。

 

しかし、ユーロの昨年の成長率が1.5で日本の1パーセントよりもはるかに強いのです。

 

日本では、専門家や報道機関が欧州における金融機関が未だに金融危機にあるという認識があります。

 

これは、昨年のフォルクスワーゲンや難民問題、フランスでのテロの最中に表面化した事実になりますが、ドイツの銀行がやはり南欧債務問題を端緒として金融危機に陥っていることが発覚したからになります。

その間、ドイツの二大銀行のCDSが極端に売られていたのでそれが表面化をしたのです。

 

こういう報道をみると日本の専門家や報道関係者は日本の金融危機を想起して日本の大手都市銀行が軒並み倒産や合併に追い込まれたことを思い出し金融危機だからユーロは今後もめちゃくちゃになるということが原因のように思われます。

 

日本の金融危機と欧州のそれは似て非なるもの

日本の金融危機はバブル崩壊後に起こったもので、誰も想起ができないものでした。私は今でもよく覚えているのですが、日本の大手○○銀行がつぶれるよ、と経済界の大物の前で喝破したのですが、一笑に付されたのです。

つまり、日本の金融危機は誰も想定をしていなかったものであったのに対して欧州のそれは誰もが想定しているものになります。

 

たとえば、日本の東日本大震災や阪神淡路大震災はだれが起こると想定したでしょうか?想定していればあれほど大きな被害にはならないわけですし、突然起こったからあれだけの被害になったと思うのが常識だと思います。

 

つまり、日本の金融危機は突発的であったのに対して欧州の金融危機が起こったとしてもみなさんの想定の範囲内なのです。

ですから万が一、ユーロで金融危機が起こったとしても想定の範囲内ということで多少のショックはあると思いますが、突発的に起こったそれとは対処の仕方が違いますし、マーケットへの影響も限定的な話になります。

 

つまり、日本と欧州の金融危機を比べた場合、そのショックは雲泥の差があるということになります。

 

日本の成長と欧州の成長

日本の昨年の成長は1パーセントで欧州の成長は1.5パーセント。

こういう数字を比較するのもバカげた話になりますが、日本の専門家や報道はこの数字を見比べても日本とユーロを比べた場合、ユーロが悪いと主張をします。

 

つい先日のECBの金融緩和にしてもドラギがかっかり緩和と揶揄をされていますが、がかっかりなのはドラギさんではなく、報道や専門家に対してがっかりというのが私の見方になります。

つまり、この成長率をみてドラギさんが金融緩和を一部しかやらなかったのは、正解であり、むしろ日本の成長が先進国の中では低いほうなので、やるべきということになります。しかし、黒田さんの肩を持つわけではありませんがプラス成長なのに追加の緩和を行うのはかなりの無理があると思います。

 

日欧の緩和に関して

昨年末の日本、欧州の金融緩和の拡大や追加は、実はアメリカが政策を変更したときには日本や欧州がその変更に伴う世界的なショックは和らげるためにある程度の緩和を行うという国際合意に基づき決定した緩和になります。

 

その緩和を行った後黒田さんが、この緩和は追加ではなく拡大の緩和でありと弁明したのはアメリカが金融政策を変更したことによって世界経済が下押しの効果があるかもしれないので、その下押し効果を軽減するためにやったと表明したのにすぎないのにマーケットは過剰な反応をしました。

 

また、欧州のECBの意向も一緒のものになります。

 

つまり、アメリカの利上げが決定したら日欧の金融当局は金融緩和を行うことは決定事項だったのです。

 

アメリカもドル高を望んでいません。

自由主義のアメリカは実はイエレン議長がドルに対して二回も介入を行っています。

一回目はユーロドル相場が年間の安値を更新した2015.年3月。

そして二回目はユーロドルが1.05近辺にきたのときにドルが高すぎると発言をしています。

 

この発言の意図はアメリカのドルが高すぎることによって、アメリカの輸出製造業が大打撃を受けていることを反映していることによって発言をしているものです。

 

アメリカ自体は経済が強くなっているのでドル高にいくのは已むを得ないと考えているのでしょうが、急激なドル高に断固として反対しているのは明らかです。

 

ユーロドル相場のドル側のアメリカが、強くなって欲しくない、と言っているのにまだ、あなたはユーロを弱気しますか?

 

ユーロ円にしても日本の景気のほうが弱いのですから、売りですよね・・・。でもその差はあまりありませんよね、だから動かないのです。

 

 

 

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