投資信託の純資産総額はいくら減少したら売るべきか?

   

投資信託はなるべく売らないに越したことはありません。あなたが長期投資のために投資信託を買ったのであれば、なおさらですね。とはいえ、純資産総額が減少しているなら心配になるのも無理はありません。

心配になるだけではなく、純資産総額の減少は「繰り上げ償還(くりあげしょうかん)」の原因にもなります。いくらまでなら純資産総額の減少はいいのか、繰り上げ償還するとどうなるのか、ということを詳しく書いていきたいと思います。

この「2つ」で決まる!純資産総額とは?

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あなたのお勤めの会社は大きな会社でしょうか? それとも小さな会社でしょうか?

会社には大きな会社と小さな会社があるのはイメージできると思いますが、「投資信託にも、大きな投資信託と小さな投資信託がある」と考えるとわかりやすいでしょう。その大きさを判断するには「純資産総額を見れば良い」というわけです。詳しく見ていきましょう。

1.投資信託への資金の出入り

投資信託は人気のある投資信託からそうでないものまであります。人気のある投資信託は、多くの人が「買いたい」と思って投資信託を購入します。人気のない投資信託であれば、多くの人が「売りたい」と思って売るかもしれません。

ここで書いた、「買いたい」や「売りたい」が実際に行われると、「投資信託への資金の出入り」となるわけです。

営業マンは日々「投資信託に資金を入れようと頑張っている」ということになりますね。資金の出入りは投資信託の純資産総額を決める要素の一つです。

資金の出入りの動き

  • 「買いたい」人がいて投資信託を買う → 投資信託へ「資金が入る」
  • 「売りたい」人がいて投資信託を売る → 投資信託から「資金が出る」

2.投資信託の組入資産の値動き

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株を購入すると値上がりしたり値下がりしたりと、日々価格が変動します。投資信託も同じく、ファンドを通して株式や債券を購入しているので、投資信託の基準価格が変動します。

この基準価格の変動は、組入資産(株式など)の値動きにひっぱられて動いているのですが、基準価格だけではなく「投資信託の純資産総額」も同時に引っ張られて動いています! 裏を返せば、人気のない投資信託でも投資判断が良ければ、基準価格とともに純資産総額が増えていくということです。

組入資産の値動きの関係

  • 投資信託の組入資産が値上がり → 純資産総額も引っ張られて「値上がり」
  • 投資信託の組入資産が値下がり → 純資産総額も引っ張られて「値下がり」

純資産総額が少なすぎるとどうなる?

上記に、大きな会社と小さな会社があるように、大きな投資信託と小さな投資信託があるということを言いました。そして、大きな投資信託とは「お金持ちの投資信託」であるということもわかったのではないかと思います。

それでは、投資信託が小さくなりすぎる、つまり「投資信託の純資産総額が減少しすぎる」とどうなってしまうのでしょうか? 

純資産総額が減少しすぎると「繰上償還」

あまりに純資産が減少しすぎると、「運用がうまくできない状態」になってしまい繰り上げ償還となってしまいます。そのような可能性の高い投資信託には、投資してはいけません。

みんなが購入する投資信託が良いとは限りませんが、あまりに不人気な投資信託を買ってしまうと、別の心配をしなくてはいけなくなってしまいます。

純資産総額が減ったときの「繰上償還」とは?

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投資信託をうまく運用できない状態になると、繰り上げ償還になってしまうと上記でいいましたが、どのようなことでしょうか?

繰上償還とは「あらかじめ決まっていた日より、前倒しで投資家にお金を償還(返す)」ことです。つまり、あなたがそのような投資信託を買ってしまったら、それが値下がりしていて売りたくないとしても償還されてしまうのです。

投資信託は長期投資を前提に買われることの多い商品ですから、このようなケースは本来あってはならないですよね? しかし、投資信託は大きな純資産総額があって初めて効率的な投資ができる商品なので、あまりにも資産が減少してしまうと繰り上げ償還という結果になってしまうのです。

安心な純資産総額は100億円!

では、繰り上げ償還のリスクのある投資信託を見分けるためには、どのようにすればよいでしょうか? 実は、純資産総額には「目安」があるのでそれをお教えしましょう。

もしあなたが新規で投資信託を購入するのであれば「純資産総額が100億円以上」の商品を買うと、その後も安心していられます。投資信託がうまく運用できなくなるのは純資産総額が30億円を切ったあたりからだといわれているので、100億円あれば当面は大丈夫でしょう。

もしあなたの投資信託の資産が減少していて心配しているのであれば、「純資産総額30億円」を目安にしてみてください。これは上記の通り、30億円を切ったあたりからうまく運用できなくなってしまうからです。ひょっとすると、繰り上げ償還のお知らせが届くかもしれません。その前に、売却したほうが良いケースもあります。

純資産総額100億円あったとしても

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しかし、注意点もあります。純資産総額が100億円あったとしても、もともと300億円あった投資信託が100億円になったのであればそれは問題です。「どんどん資金が出ていってしまっている投資信託」は、運用がうまくできないのです。

逆に、純資産総額が100億円に満たなくても、「どんどん純資産総額が増加している」のであれば検討してみてもよいでしょう。

まとめ

いかがでしょうか? 投資信託を購入する上での具体的な数字は参考になったのではないでしょうか? 投資信託は選びは人気で決めるものではありません。しかし、長期投資を前提として「長く付き合える安心な投資信託」を選ぶのなら、上記の「純資産総額100億円」を目安にしてるとよいでしょう。

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