2016年初 原油相場の急落の真相

   

年初から、原油相場が急落をしています。以前こちらでも言及をした記憶がありますが、原油の価格というのは基本的には株価の上昇とドルの上昇に伴うものである、と計算式も交えてご案内をしたと思います。しかし、今回の原油相場の急落、正直いって原油相場の急落といっても高々1バレル5ドル程度の下落で何を騒いでいるのだと思うのですが、は株価や需給の問題では本質的ではありません。この下落はマーケットの事情による下落になります。今回はその辺を焦点に解説をしていきたいと思います。

 

原油相場の需給問題

年初、IMFが世界成長が3.3予定だったものを3パーセント成長に訂正をすると発表しました。原油相場は本来、世界の需給構造によって価格が決定される側面もありますのである意味この需給構造における需要側の消費不足と説明するアナリストは当然多くいるでしょう。

確かに需給構造でいえば、最大の懸念はイランの国際原油相場に1月から復帰するということが大きく供給が増える原因になります。また、OPECが価格調整のために減産を行うということも、以前も説明をしましたが、たぶん今後もありえません。

 

。なぜなら、アメリカのシェールガス革命によって天然ガスの供給も潤沢にあって価格が天然ガスのほうが圧倒的に安いからです。つまり化石燃料、暖房の燃料としてのエネルギーはアメリカ国内においてはすでにガスに移行しておりいまさら原油を必要としてない国が今後も続々と出てくる可能性が高いからです。こういうことが世界的に認知されてきており、コストの高い原油をわざわざ化石燃料の暖房エネルギーとして活用する経済主体は当面現れないということです。

 

つまり、原油は高くなり過ぎたというサウジを筆頭とする産油国の思惑の一致であり、普通、協調して減産をしてもたいていの場合経済的な困窮具合から協調から外れて一部の国だけが増産をすることが多々あるのですが今回、そのような例外の国はありません。それだけ原油価格が高いことにかなりの危機感を抱いているのでしょう。

 

しかし、原油価格というのは結局、ドル高の問題であって原油をドルで売りさばきそれを現地通貨の換算しなければ実質は120ドルの原油を売っていることに変わらないということになることも留意しなければなりません。

 

本当の下落の理由

実は今回の下落の理由は、もちろん需給の問題もありますが、今回の本当の下落の理由はそれだけではありません。

 

なぜなら、私が原油価格について解説をしたように、原油価格は株価とドルの値動きによってほとんど決定されているのに今回の原油の急落は今までの常識とはまた別の動きをしました。

 

すなわち、ドルが急落したら原油は上昇するのが一般的なのですが今回は下落していますし、株価が下落をしても原油は遅れて上昇するのに、今回はその動きを微塵もみせません。ですから、今回の急落の犯人は別にいるということになります。

 

本当の犯人はテクニカル

実は、原油価格がダダ下がりのときに、天然ガスの価格は上昇をしているのはご存じでしょうか?

世界のエネルギー価格を語る上では、原油の価格のほかにウラン、石炭や天然ガスの値段も当然のように見ておかなければいけません。

 

これらの原料素材というのは発電エネルギーや暖房エネルギーになるものですよね。つまり、世界の人はこれらの中で一番安くて効率的なエネルギーを使うのに決まっています。ですからテレビやニュースで原油が安いと叫ぶのなら天然ガスを筆頭として石炭やウランなども下がってないといけないのすが、逆に上昇しているという面白い結果になっています。

 

つまり、今回の原油急落の問題は、需給問題から引き起こされている問題ではありません。

テクニカルの問題です。

 

厳密にいうとテクニカルではない?

NYのドル建ての原油を取引をしたことがある人にとってはわかると思いますが、商品先物という取引には限月という期限がきます。

NY原油は毎月15日が期限の到来日なのです。

 

ここで何が起こっているのかを解説すると簡単です。

要するに2007年ごろからシェールガス革命が叫ばれましたがその時の原油の需給状況は相当タイトな状況になります。

 

もちろん、リーマンショック前ですから景気も相当いいから1バレル140ドル近くまで上昇したのです。

一方で天然ガスはシェールガスの発見、開発によって供給は潤沢にあったのです。

つまり、昔は天然ガスは二酸化炭素の排出量は石油に比べ少なかったものの、えらく高かっかたので誰も使わないのがシェールの開発によって、価格がどんどん下がったのです。

 

それに目を付けたのがヘッジファンドになります。

彼らは基本的にはロングショート作戦を基本的に取ってきますので、需給の緩い天然ガスを売って、原油を買う膨大な量のストラドルを完成させたのです。

 

現在が2016年になりますからそのポジションを8年間も持ち続けたのです。

何しろ、鉄板で儲かりますからそのポジションを積み増しして当たり前ですよね。

 

ところが年が明けてというよりも去年の秋から、原油の需給動向が変わってきましたよね。

原油も余って、天然ガスは以前から余っている。

だからそのポジションを解消しているから、原油は8年間買い続けたのですからその買いポジションを手じまうときは売りになるのですよね。逆に天然ガスは売りを買戻しをかけているのです。

その原油先物の1月限という限月は非常に取り組みの多い限月なので期限の15日までに手じまいするのが苦労して暴落につながったというのが真相になります。

 

 

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