安保法制とマーケット

   

今年の秋に安保関連法案が国会の承認を経て、その直後安倍政権は内閣改造を行い新政権を樹立しました。この内閣は、明らかに懸案の安保法制が成立しましたからこれからは経済中心の政策を打っていきますよ、というメッセージを国民に対して流布をさせました。

 

GDP600兆円の意味

実はこれと同じようなことを言った首相が日本に居ます。みなさんも歴史の教科書等で学習したと思いますが池田勇人の国民所得倍増計画になります。

 

実はこの池田勇人首相は日米安保改正条約に批准した岸信介の後任の首相です。

岸信介といえば、安倍首相のおじいさんです。この岸信介が日米安保条約反対運動で支持率が下がり、後任の池田勇人に政権を譲り渡したのは今でも有名な話になります。

 

このころの日本経済はオイルショックやアメリカのベトナム戦争の不振などを囲い不振でした。しかし、高度経済成長の途中でしたので池田首相が国会で所信表明演説にて国内のGDPを今後10年以内に2倍にすると、表明したのです。

 

ご存じのように、今ではGNPは新しい指標としてGDPとなっています。またこのGNPが理解しにくいということでマスコミは国民の所得を二倍ですから倍増として所得倍増計画としたのです。

 

現況、日本のGDPは490兆円程度になりますが、これを池田勇人のモノマネをしているとすれば2025年までにGDPを600兆円にすると宣言したととらえればいいのです。

 

10年で600兆円ということは?

現在、490兆円を10年後に600兆円にするということですから、1年間に11兆円のGDPを増やすという意味になります。

年率でいえば2-3パーセント成長ということになります。

 

現在、7-9月期の経済成長が年率に換算をして1パーセント、しかもその成長の内訳はプレミアム商品券等の補正予算の効果が1.5パーセント以上を占めると言われています。

つまり、補正予算がなければ日本はマイナス成長ということになります。

 

参考までに年率1パーセント成長というのは、年間でGDPの額が4.9兆円増えたということです。補正予算等で景気のかさ上げはばらまきをすればできるということになります。

 

高度経済成長の成功による、所得倍増計画の成功

池田勇人の所得倍増計画は10年待つことなく確か5年程度で達成をしたと思います。これは池田の政策が正しい云々よりも日本が工業化をしたので簡単にGDPが増えただけの話です。

つまり時流の流れが日本は成長過程に合った通りで、その時流にのったのですから当たり前の話です。

 

今回の安倍政権によるGDP600兆円

皆さんも感じるように、現状のままではこの目標を達成するのは難しいと思います。

もちろん、日本が再び高度経済成長のように大変喜ばしいことになりますが、基本となる産業がないということが一番の問題だと思うのです。

 

そこで、アベノミクスでは1億総活躍社会、女性参画社会など実現を目指して頑張るらしいです。

全部、絵空事で具体的に何をするのかが全く見えてきません。

もちろん、前回の目標とする高度医療やIPS細胞などの医療技術も大変喜ばしいことですが、一部の人しか参加できないような目標では困りますよね。

 

ですから、誰しもが参加できるプランを実現しなければいけないのに、でてくるのは好況事業や地方創成と銘打った実質のバラマキです。

 

実現は難しいけどマーケットは上昇する?

このGDP600兆円の達成は現時点で相当、専門家も一般の方を含めて懐疑的です。

要するに、安保闘争が終結して、国際的な軍事異変や流れが来るのを待っているような状況ですので、相当難しいと思います。

 

また、民間企業に期待をしても内部留保をため込むだけで何もしていません。業績は上がっているですがそれは単に経費節減とリストラ効果だけのものです。

まともに、大きな利益を大きな新規事業であげたという会社はないと、言っても過言ではありません。

その上、東芝問題に代表されるように、上場企業の役員は、社員に嘘つきになることを強要しているのに、逮捕もされず、上場廃止にもされませんので、企業に期待しても無理でしょうし、今後もこういう不正は今回の罰則をみればわかるように、大甘処分ではまたでるでしょうね。

 

しかし、安倍政権は更なるばらまきを続けます。

 

具体的には?

まず、補正予算は年明けに成立し、法人税減税も年明けに成立するでしょう。

これで株価上昇は年度末に向けて規定路線になります。

 

その上、NISAがスタート。

 

また、その上に衆参の同時選挙まで噂されています。

これで株価が上がらなければ、安倍さんがバカにするな、というレッテルが貼られて退陣になるでしょう。

 

しかし、年金受給者は株価が上昇すれば安倍政権を支持しますので政権は安泰です。

 

なんだ、かんだといっても・・・

株価はこのような上記の政策によって、上昇するというよりも鉄板の上昇になるでしょう。

 

しかし、忘れてはならないのは、衆参同時選挙で圧勝したら何をするのかをよく考えなければいけないのです。

 

衆参同時選挙に圧勝したら今度は安倍さんは憲法改正の国民投票に突き進みますよね。当然のことでしょう。

戦前の国民は貧乏だけど、戦争をするという路線は消えませんよね。

 

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