2015/6/10 2円以上円安に振れた原因

   

日銀総裁の円安けん制発言

6月10日午後1時くらいに、衆議院財務金融委員会にて日銀の黒田総裁が「実質実効為替レートでは、かなりの円安水準になっている」と発言をしたことをきっかけに2円以上の円高が進みました。

また、ここからさらに円安が進むとは普通に考えればありそうにない、と発言をしました。

この発言に対しての私の個人的感想は。
① かなり直接的な表現であった
② タイミングをはかってこの発言をしたのではないか
③ このような表現になっているのは相当、今のレートに不満をもっているのではないか

という感想をもちました。
では、ここからはなぜ、このような円安になっていったのかを考えてみてみようと思います。

■円安に振れた原因 その①

この円安はおそらく、中国の金融緩和から端を発しているのではないか、と個人的に思っています。

5/10に中国政府は現在の預金レートを引き下げ、貸出レートも引き下げることを発表しています。

通常の先進国であれば、この発表をきっかけに自国通貨安が進行するのですが、中国は為替レートが操作というと言いすぎでしょうが、管理をされています。

ご存じの方も多いと思いますが、中国の為替レートには制限値幅が設けられており1日の変動域は設定をされています。

つまり、中国政府が意図しない方向にマーケットがいくことは少ないということになります。

また、中国の頭痛の種というのは外貨の流出もあります。

金利が引き下げられたのですから当然、中国が保有している外貨は流出の危機を迎えるのですがそれを香港のオフショア市場の自由化や外貨持ち出しの制限等によって、外貨の流出を防ごうと必死になります。

経済の原理原則からいえば、金利を引き下げた国は自国の通貨安が進行し、外貨の流出が続きます。

しかし、自国通貨安は今の日本のように、円安に進むと輸出が活発になり経済が上向き始めます。

また、自国通貨安はその国の国内の物価が下がっていることになりますので、直接投資や観光客がきやすい環境になります。

ですから、金利を引き下げるという行為自体はその国の経済を立て直す機能があるのです。

しかし、中国政府はそれを人為的に通貨高にもっていき、また、外貨の流出も防ごうという経済学上からはわけのわからない政策をとろうとしています。

■円安に振れる原因、その②

成長著しい、東アジア諸国になりますが、中国の景気が減速をしているということは、その東アジア諸国の成長も低減をしていることに他なりません。

ですから、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム等の東アジア諸国の成長も5月の上旬から始まった各国のGDP成長も低成長になるか、あるいは前期比マイナスという結果になります。

その理由は簡単で東アジア各国は、中国に輸出を依存をしており中国への輸出が減ることは自国の成長を止めることになるので当然の結果になると思います。

文化圏からいえば、日本、中国の成長がかんばわしくないときには東アジアの成長は止まります。
日本のGDPは好調そのものですが、中国は実際に激しい減速をしています。

そういうGDPの結果になれば、今まで東アジア通貨は成長が著しいと考えていたわけですから東アジア通貨高になっていたものが、いきなり成長減と中国の利下げによって東アジア通貨安が進行しました。

前述のように、中国の為替相場はまともなレートではありませんので、通常、東アジア諸国はドルペッグ制度ですのでドルに対して、成長減を背景に売られました。

つまり、ドル高、東アジア通貨安が生まれたのです。
このドル高は、イエレン議長、アメリカ財務省、IMF等がいくらけん制発言をしていても実態経済が悪いのですから必然的にドル高になります。

つまり、ほかのユーロやポンド、オージーに対してはドル安は進行していたのですが、実態経済の悪さから東アジア経済特有のドル高、円安に振れました。

■円安に振れた理由、その③

日本の安保法制になります。
この4月、5月に浜田内閣府参与が円安に関してけん制発言をしていますが、それを無視する形で円安が進行しました。

また、菅官房長官がこの円安が進行している最中に、この円安は意外ではない、と発言したと思ったら麻生外務大臣が急にこの円安を注視していると発言をしている、と二転三転の対応でありました。

今、国会では安保法制の審議が行われており、先にもふれましたが、この自民党政権は株価によって支えられている側面があるという話を以前にしたと思いますが、まさにそれになります。

アメリカ、ヨーロッパの株価が下落局面を迎えているのに、日本の株価は暴騰し続けました。
日本の売買代金はたかだか2兆円程度であることを考えれば、官制相場によってもちあげられているのは想像に難くはありません。

また、株価は円安になればなるほど上がり易いのが過去の傾向になりますので円安方向にも誘導をしなければいけない、と思うのです。

■まとめ

結局、この円安というのは中国の人民元の操作と同じで、日本政府による、株高、円安操作と考えて問題はないと思います。
まず、この円安が解消し始めたとたんに日銀の黒田総裁の円安けん制発言がでました。

この発言の前の6/8に実は、東アジア通貨安は緩和してきています。
それと、同時に円高方向に流れ始め、またユーロ圏でドル高に対してオバマ大統領が懸念を表明したというデマまで流れていました。
こういう、ありえない話が流布されるのはもう危険な状態になると思います。

ですから、この流れを結果として、円高方向に行ったのです。

結論としては、今回の円安にいった原因を東アジア通貨安にあると考えれば、この円高は見抜けるのです。
株価に関しては、意地でも政府自民党は、安保法制が終わるまで維持させるのかもしれないと思っています。

 - コラム