日本やドイツで金利上昇しているのはなぜか

   

日米独の金利上昇の意味

さて、前回ではアメリカの長期金利が上昇し始めている理由とその原因をお話しました。
その発端はイエレン議長の連休明けにアメリカの長期金利が安すぎると発言をしたのが発端になります。

しかし、同時にドイツ、日本でもマーケットの長期金利が上昇し始めています。
これは個人的な意見としては、日米独による協調による市場介入ではないか、と考えています。
なぜ、このようなことをしなければならないかを見て行きます。

■なぜ、協調介入を実施しなければいけないのか?

アメリカの利上げをしたことによって起こることは、前の文章で解説をしました。

簡単にいえば、アメリカの利上げによってそれまで安い金利を嫌って先進国から逃げて新興国に行っていた資金がアメリカに還流してくるということになります。

その際に、イエレン議長は金利が安すぎることによって債券をほとんどの投資家が買わずに株式に資金が集中することを懸念しての発言になると思います。

その資金集中によってアメリカ株式にバブルが発生することを嫌ったのです。
バブルは発生したら必ず、破裂します。

まだリーマンショックから立ち直ってもいないのに、またバブルが発生したら困るということになります。

しかし、考えてみてください。

まず、資金を潤沢に流しこんでいるのは、アメリカ、FRBだけではありません。

日本では異次元緩和と言われるように、とてつもない金額の緩和マネーが世界中に流れ出ています。

ヨーロッパも今年になってから緩和を初めています。

アメリカはリーマンショックの半年後には量的金融緩和を始めましたので、立ち直りが早いのです。

アメリカが先進国のなかで一番早く利上げをするということは、ヨーロッパや、日本の緩和マネーも呼びこむ形になります。

そうなると、もう、アメリカのFRBがいくらアメリカの株式に投資をしないでください、と呼びかけても無駄な努力になることは誰でも想像がつくことでしょう。

前回のITバブル崩壊では、これをやらなかったために、日本においては円キャリー取引が全盛を極めました。

円キャリー取引とは?

日本の金利はバブル崩壊以降、実質のゼロかマイナス金利になります。
そしてそのあおりを受けて年金や社会保障では生活が出来ない状態に陥っています。

ですから株式投資に移行を政府がよびかけ、またその株式投資の運用利回りがよくないときは海外に投資をしたのです。

日本の金利がゼロなのですから、海外に長期金利でもなんでもいいのですが、日本よりも金利が高い国の通貨や株式、債券等に投資をしてその利回りを得て日本人は生活をしてきたのです。

つまり、金利がゼロないしはマイナスの円を売って、外国に投資をすることによって高い運用利回りを得てきたのです。

その循環取引が円キャリートレード、取引と言われるのです。

実際にその利回りを得た際にはさらに、円安が進んでいるのでより一層のキャピタルゲインが得られるのです。

ですから小泉さんが円安にすればするほど株式投資で利益を得て生活している人はより一層小泉さんを支持していたのです。

現在の安倍政権も同じ構図になります。

安倍さんが重要法案や反発の強い法案を通そうとするときは、必ず円安の株高になっていると思います。

これが株安のタイミングで通そうとはしないはずです。
ひいては、重要法案が通ればその後は株安になる可能性もでてくるということ。

■よく考えてみてください

今回、アメリカはおそらく2015年内に利上げをします。
6月にすると、騒いでいる専門家や報道もありますが、6月なんて絶対にあり得ません。

イエレン議長は先月のFOMCでも6月にしようという文言は一切ありません。
なのに、なぜ、6月に利上げをするという専門家や報道があるのかは理解できません。

また一方で、日本とヨーロッパは未だに物価上昇率と金利を考え合わせればまだ実質の金利はゼロかマイナスになります。

それだったら、上記の円キャリートレードのように、ヨーロッパや日本でもまたさらに自国通貨のキャリー取引によってアメリカに投資する可能性があります。

なぜなら、アメリカに投資したら、為替変動リスクはあるけれども金利は間違いなく高いのですから当然、投資家の行動は、金利の高い国へ投資をします

それがより一層の自国通貨安を招き、さらなる投資家の資産増につながります。

そうなると、世界中からアメリカへ資金が流れアメリカの株式や金利はまたもや大幅なバブルになる可能性があります。

それを防ぐために、ドイツや日本の金融当局は長期金利を高めに誘導をするのが自然な考え方になると思います。

自国の金利がある程度高ければ、アメリカに投資するのには為替変動のリスクを嫌う投資家もいて当然です。

ですから自国の長期債券を買ってそれを生活の糧にする投資家がいて当然です。
ですから、日米独の国債の長期金利を協調して高く誘導している可能性は非常に高いと思います。

ですからこの長期金利の上昇は、国際的な合意の枠組みの流れになりますので、そうそう簡単には崩れないと思います。

そして、日本人にとってはバブル崩壊以降初めて長いスパンによる長期金利の上昇になると思います。
長期金利上昇のときにおすすめの株をご紹介したいと思います。

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