IMF世界経済見通しと各国の為替相場予想

   

7/14にIMFの世界経済の見通しが発表されました。
それによると、世界全体の経済見通しは予測したよりも若干成長のスピードが弱っています

この原因は日本の場合は消費増税による景気の後退観測、
最大の原因は、アメリカの港湾ストライキや大雪、ドル高のための景気減速が原因としています。

以下は詳細な発表になります。

■アメリカ

アメリカのGDP1-3月期の確報値がマイナス0.7になっているのに、現状は2015年末には年間とほぼ変わらずの3.1パーセント成長になります。

現状で、4-6月期のGDP成長が1.9パーセント程度の成長になる見込みになるのですが、7-9、10-12月期にはアメリカの天候不順はあまり考えられないことから相当程度の回復が見込めるということが言えると思います。

したがって、アメリカの株式は買いなのか、と即座に思う方も多いと思いますが、現実的に今のアメリカの製造業はドル高を懸念、ないしは実際にドル高によって収益構造が低下をしていますので今後もドル高が進む可能性が高いと思います。

その一方で、ITを中心としたサービス業全体の見通しはドル高で業績を落とすことなく好調になります。

そういった、IT関連の上場企業が多いナスダック市場は、新高値を更新し、既存の企業が多いニューヨークダウ工業株30種などはモチアイ相場になっています。

このドル高の背景は中国経済のスローダウンがいよいよ鮮明になっていることで東アジア各国の経済成長の減退があげられます。

また、アメリカのご近所南米の経済不振が挙げられます。

1-3月期は天候不順という予想外の要因によって経済が減速をしたのですが、年末にむけて3パーセント超の成長を本当にするならば、アメリカ株は買いなのでしょうが現状では推奨できるほど強い要因はありません。

もちろん、長期的には買いなのですがこの7-8月に買えるか否かでいえば、現状では新規ではあまり買いたくはないです。

■日本

日本は経済の見通しに変化はありません。
これは先進国ではイギリスと日本だけになります。

ここでも、イギリスの買いを推奨しましたが、イギリスはリーマンショック直後に量的金融緩和策を実施しています。
これは、先進国ではスイスが一番早かったのですが、その次はイギリス、アメリカになります。

ですから経済の回復が早いのです。
アメリカも利上げを検討しているように、イギリスも検討をしています。
ですから、IMFの見通しも利上げを検討しているということは好調であるという証左になります。

また、イギリス買いの根拠として陸上の油田が発見をされたこともここでも指摘をしましたが長期にわたって買いの根拠になります。

一方、日本は今まで何がネックだったと考えれば消費増税であろうと言われています。
それは、日本人的感覚であって海外の投資家からみれば、そんなものは関係ありません。

一番、直接的な原因は円安になります。
日本人が海外に投資する際に一番重要視をするのは利回りですが、ヘッジファンドやファンドマネージャーが重要視するのは通貨高です。

結局、他国の株を買って、それを利食いしたときに自国通貨に換金をするのです。
そのレートが安いと何の意味もないわけです。
つまり、投資国のレートが通貨安傾向になる国は避けるのは鉄則になります。

だから、実は通貨安などは日本にとってはあまりいいことではないのに、日本人は円安が大好きです。

その通貨安のメリットは借金の総額がドル建て表記なりますので、その債務が圧縮されたように見えるだけです。

ドル円相場は80円から120円になり、1.5倍のレートになりましたが、借金の総額は0.75倍になっただけのことです。

それでメリットを受けるのは政府になります。
もちろん、債務の圧縮も大事なことですが、白黒の黒の部分を見ると、日本人は円安が進めば進むほど貧乏になっているということに他なりません。

それなのに、国内の投資家は円安を歓迎するとアホな投資行動をしています。

しかし、全体でみれば先進国の中で順調に成長をしているのは日本とイギリスのみです。
ですから、信頼できる先進国の投資は、ファンドマネージャーたちは日本とイギリスを選択するでしょう。

アメリカももちろん重要な選択肢になるのですが、現状アメリカが本当に年末まで予測通りに経済が回復するかどうかは、まだ、未定です。

信頼できる投資先は日本とイギリスを選ぶと思います。
より安定的な投資先として。

私は年内24000円程度の日経平均を予想しています。
しかし、一度、急落があるであろうとは考えています。

■ユーロ

昨年、量的金融緩和の実施が発表されて経済成長が上方修正をされたユーロですが、また予測が減少をしています。
この発表を受けて、アメリカがほぼ変わらず、ユーロが減少ということでユーロドル相場が急落しました。

実際、金融緩和の効果は6-9カ月間はもつと思われますが、今現在、その効果はほとんど認められないという現状になります。

しかし、ユーロドル相場が現状で1.1を割っており、その水準は大バーゲンセールであると個人的には思っています。
両国の経済規模を考えると当たり前の話になると思います。

■まとめ

こういう、IMFの見通しなどは全世界のファンドマネージャーがみています。
これによって投資戦略を策定しているといっても過言ではありません。

日本株は2万円を超えて高いのではないか、と考えるかもしれません。
しかし、先進国で信頼できる国は現状、日本とイギリスのみです。

そうなると、安定運用部分でイギリスや日本を選択し、リスクを追求するならアメリカを買うというポジションは想像に難くはありません。
こういう風に考えるとIMFの見通しは投資にとってはとても重要なものになります。

前篇では主に先進国への投資に関して述べてみました。
ここからは中国やオセアニア等他の地域に関しての記述になります。

前回、張りつけた図表を今回も張っておきます。

■中国

中国の成長に関しては据え置かれました。
これには驚きをもって考える人は少なくはないでしょうが、私の記事や講演を聞いている人には何ら驚くことはないと思います。

中国の今の政策は人民元高政策と、人民元の海外移転、持ち出しの禁止が大きな論点になります。

具体的には、中国の為替レートは変動性の為替レートになりますが、共産党が管理している管理相場にもなります。
また、人民元の持ち出し禁止は、中国で稼いだお金を海外に送金を禁止するという政策になります。

最近の上海株の急落によって中国経済がかなりの規模で減速をしていることが確認をされましたがADBは成長予測を下方修正しましたが、IMFは現状維持にとどめました。
ADB、アジア開発銀行の見解は誰しもが納得すると思いますが、IMFに関してはなぜ?とほとんどの人が思うでしょう。

この判断の根拠は、上記の中国の政策によります。
まず、人民元は中国の景気が減速をしているとするのであれば通常の資本主義国家なら自国通貨を安くするように誘導します。
具体的には政策金利を引き下げるのが代表例になります。

そこで、通貨安になると海外からの投資がまた増えてきて、また国内は物価が上昇しますのでGDP総額が上昇をします。
そこでまた、景気が復活するというシナリオを描くのです。
ところが、中国政府は金利を引き下げますが、通貨は高くします。
何がしたいのかといえば、中国で稼いだお金を海外に送金されたくないのです。
なぜなら、人民元が安くなればみな、海外に資産を移動させるからです。

通常の国は、ここで外貨準備を活用して自国の資産が減らないようにしますからいいのですし、通貨安になったら新たな投資マネーが流入しますのでこれでいいのです。
ところが、中国は尖閣、南沙諸島問題で新たな投資マネーの流入が期待できないので、稼いだお金を海外に送金するのを禁止するのです。

ですから、中国ではまた不動産や株式であまったお金がバブルを引き起こすという形になりますので、経済成長は下がらないという理屈になります。

また、日本やアメリカに上場されている中国企業の投資を考えている人は要注意です。
日本では未だに中国13億人の人口がまだ中国を豊かにすると信じている人が過半でしょうが、アメリカは全く違います。

まず、中国を信用できないとして企業の大半は中国からの撤退をほぼ完了していると言っても過言ではありません。
ですから、アメリカ人にもその意識はかなりあるので中国株はたとえ、アリババであっても人気はありません。
ですから、中国は海外であっても不人気です。

もちろん、中国国内での投資は儲けられると思いますが、儲けたお金は日本国内にもってくることはほぼ不可能と思ったほうがよいでしょう。

■オセアニア

このIMFの項目にはありませんが、オセアニアにも触れておきたいと思います。
なぜなら、高金利通貨としてFXで取り組まれている方も多いと思いますので。

まず項目はそのほか先進国地域になります。
2014年の見通しは変わらずで2015年はマイナス0.1となっています。

先進国はG7と称されるように、実質オーストラリアを指しています。
安定的な成長になりますが、今年はマイナス0.1になるようです。

これはアメリカ、イギリスの利上げの予定で減速をすると思われます。
なぜなら、先進国が全部ゼロ金利なので、そのゼロ金利を避けたい投資家にとってはオーストラリアはその逃避先としては好都合になると思います。

それが先進国に金利がつき始めたら、オーストラリアからの資本逃避が始まります。
オーストラリアは金利を引き下げ始めていますが、これは経済が減速をしていることもあるのでしょうが、アメリカが金利を上昇させれば、資本の逃避が始まるのは確定的になります。

それを避けるために今から、金利を引き下げて資本の逃避が始まったら金利を引き上げてその逃避を防ごうという思惑があると思います。

ですから、これからオーストラリアに投資を考えている方は、一回、大きくさがる場面があると思いますのでそのときまで待ったほうが賢明かと思います。

■ヨーロッパ新興国、トルコ

この項目の中にヨーロッパ新興国となっています。
その構成の主な国はトルコになると思います。

その数字は現状維持になっています。

日本でも金融先物取引所にトルコリラが上場され人気を博していますが、私は買う気には一切なれません。

まず、過去の東南アジア通貨危機というのは実力以上に東南アジア通貨が高かったのが原因といわれますがもう一つ重要なことがあります。

先のロシア危機でも日銀総裁が「ロシアは危機であろうが、外貨準備がそれなりにあるので大したことにはならないであろう」とコメントをしました。
実際にそうなりましたので、安心をした方も多いと思います。

東南アジア通貨危機は通貨高に加えて外貨準備が極端に少なかったので、危機が発生をしたのです。
外貨準備が少ないと、自国通貨安の防衛手段はありません。
ですから、危機が起こったのです。

しかし、今は日本とADB,アジア開発銀行の主導によってチェンマイイニシアチブ協定というのが結ばれています。
これは外貨準備の少ない東アジア各国が危機にひんしたときには資金を融通しましょうという協定になります。
ですから、また東南アジア危機のような危機が起こる可能性が低いのです。

しかし、トルコはそういった経験も知識もないのでその法整備や危機への対処が遅れています。
ですから、トルコはイギリス、アメリカの利上げが決定し、資本の流出が始まったらその対処法が極端に外貨準備が少ないので危機へ一直線という方向の可能性が強いのです。

ですからオーストラリア同様、アメリカをはじめとする先進国の利上げが一巡して急落した後に買うのがよいと思います。

■ブラジル

ブラジルはオリンピックを2016年に控えています。
しかし経済成長は上記の表ではマイナスになります。
しかし、添付文章にてIMFは2016年には回復をすると記しています。
ですからこの夏から秋にかけてオリンピックに向けて買い場を探したいものですね。

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