中国のせいでアメリカの利上げは遅れるのか

   

今まで私は、この7月から8月にかけて大きな相場の転換点がありますよ、と書いてきました。
マーケットは相も変わらず夏枯れ相場状態になっていますが、大きな発表があったように思います。

■衝撃のアメリカGDP発表

アメリカのGDPは速報値で4-6月期は年率で2.3パーセントと発表されました。
私はよくて1パーセントの後半だろうと常々明言をしてきましたからなんだ、外れているではないか、とお思いになる方は多いと思います。

しかし、実は、1-3月期の確報値の修正値も発表されて、1-3月期がマイナス0.6からプラスの0.7と修正されました。

3月末のGDP総額が0.7パーセントプラスであったので、1.7パーセント成長という私の目算は大体、おおまかのところ私の言っていた成長となりました。
決して外してはいませんのでその辺のところはご理解をお願いします。

この数字はすでにマスコミ等で発表されているように、9月のFRBの利上げが大きく規定路線に舵を切ったと思います。

しかも、このGDPの数字はFRBのイエレン議長が明言をしていたように、雇用環境の良化が利上げへの一歩としてそれが第一条件になるということをクリアした数字になります。

今までの雇用環境は雇用統計でしか、数字を追ってきていた向きにはいい数字ではないか、という方も多いと思いますが、実は雇用統計が良化することが利上げの前提条件ではありません。

雇用は、1970年代が最悪の雇用環境と言われていますが雇用者数自体はもう過去最高の状態になります。
しかし、その賃金は最低ということで、決してこの環境はイエレン議長は評価はしていませでした。

今回の発表では、この賃金が上昇し始め、また、消費者所得も相当上昇した、ということになりますのでほぼ9月の利上げは決定的になったということで衝撃の数字になったのです。

■本当に利上げをするのに克服する状態なのか

思えば、この4月から私はアメリカの経済失速の原因は、イエレン議長はドル高に原因があると言っていたことを何度も繰り返していると思います。
実際、ユーロの失策という点においてもこの夏場からドルは再び上昇基調に転じています。

ですから、アメリカの製造業の収益は伸びす、アメリカの代表的な工業株指数のダウ平均株価工業株30種はモチアイの域を脱しておりません。

アメリカの製造業の平均的の増益幅はたったの0.3パーセントということを勘案をすると、このダウ工業株30種のモチアイは致し方がないと言っても過言ではありません。

また、金融関連の上場企業の平均の増益率は20パーセント台まで上昇しています。
そのほか、ヘルスケアやIT等も増収増益になります。

こういった観点からみると、また、アメリカの本来の力強さの源泉である製造業の完全復活には至っておりません。
ですから、本当に利上げをするか否かは、まだ予断の余地を許さない状態と言っても過言ではありません。

また、このアメリカの1-3月期の経済失速の原因となったシェールガス関連の雇用と企業収益もアメリカの上場企業の収益の足を引っ張っている状態でもあります。

現在、原油相場は40ドル台に6年ぶりの安値を試している段階で、これらのシェール関連企業の雇用や収益は当面は改善をするとはとてもではないですが思えない状態になります。

今後の原油相場は、昨今、商品指数のCRB指数がリーマンショック時の安値を更新したそうですが、今後の市況はまだ下がると思われます。

また、原油が大暴落をしたときに、オペックの追加減産が行われないことが国際的な批判を浴びましたが、今後も減産は行われないというのが個人的な意見になります。

理由は、減産が行われなかったのは、簡単な話、実質的な原油は値下がりをしていないからです。
つまり、値下がりをしていないということは産油国の収入は変わっていないのです。

しかし、この原油の問題は、アメリカの国内事情に今後はなっていくと思われます。
アメリカはシェール革命以前は、原油の輸入国でしたが、今はもう輸入をしていない状態になります。

ですから、国内でエネルギーをまかなえる状況になりますので、シェールとその関連事業の不振はアメリカの景気が確実に回復をしてくれば関係ない話になる可能性はあります。

つまり、雇用の状況は劇的に改善をしましたが、ドル高、金利の問題、シェール不況の問題は解決をしていないと思います。

しかし、イエレン議長は雇用の状況が好転をすれば、利上げを年内に上げるという言質をとっているので利上げは年内に行われるのは必然になると思います。

こういった点で7月下旬のアメリカのGDP速報値は世界のマーケットを変えるに値する環境だと思います。

■中国の不振は利上げは遅らせるか?

これは、一言で終わります。
マスコミはそんなことをいいますが、関係ありません。
なぜならば、FRBはアメリカの国内機関であって、海外の情勢はあまり考えていません。
もちろん、アメリカの景気に重大な影響を与える場合は考えると思いますが、今の時点では中国の問題は取る足らない問題というのが一致した見方になります。

■今後のマーケット

おそらく、ドルが下がってきます。
これは中国が人民元を利下げした影響になります。
人民元安イコールドル安になるケースは今まで非常に多く、ドル安になると思います。

また、株式市場はアメリカが利上げをするのですから利回りの点で、一時的に下げることになると思います。
しかし、それは一時的な現象であって、永続的にはならないと思います。
ですから下がったところは買い場になります。

なぜなら、景気が回復をしているのですから株価が上がるのは長期的にみれば当然になります。

以上、7月末のアメリカのGDP速報値は今後の世界経済を変える衝撃的な発表になったと思います。
ただし、一般的に言われているように、FRBの利上げは9月で確定的というのは様々な要因によってまだ確定的とは言えない状況だと思います。

慎重な投資家はアメリカが利上げをしてから行動を起こします。
今も株が下押ししていますが、買うのはまだ早いでしょう。

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