2015年夏に中国株が暴落した理由と今後の行方

   

 先月、中国株、特に上海株が暴落をして市場の話題をまきましたが、再び8月の中旬にきてまた下落をし始めています。
この理由を解き明かしていきましょう。

■中国株がなぜ暴落をしたのかのおさらい

中国株の暴落が先月起こったのはみなさん記憶に新しいと思います。
その暴落がなぜ起こったのかはここでも解説をしてきましたが、おさらいをしていきましょう。

まず、中国は今年に入って3回の預金金利と貸出金利の利下げを行っています。
金融用語でいえば、景気がよくないので金利を下げた、いわゆる日本やアメリカ、ヨーロッパでやっている金融緩和を行ったのです。
この金融緩和はなぜ行うかといえば、理由は簡単で景気がよくない、よくなくなる見通しがあるから金利を下げたり、量的緩和をおこなって景気を下支えしようとする訳ですよね。

それなのに、上海株を中心とした中国株は値を上げたということになります。
景気が悪いのに。
ですから、本来下がるはずの株価が逆に上昇をしてしまった。

この状態のことをバブルといいます。
記憶に新しいのはリーマンショック前の景気です。
先進国がみな景気減速をしているのに、株価は軒並み上昇、ということがいい例になります。
そしてベアスターンズ証券やリーマンブラザーズが倒産してそのバブル崩壊につながったのです。

中国は本来、景気が減速をしているにも関わらず、株価が上昇したので景気動向を無視した、という結論になります。
つまり、中国株は崩壊することを前提に上昇をしていたのですので、崩落をして当然ということになります。

■中国の特殊事情

これも、前回までのおさらいになるのですが、中国は資本主義国家ではないということをなお一層、認識をもって理解をするようにしてください。
中国を他の資本主義国家と同じように理解しようとすれば、必ず理解ができません。
つまり、資本主義国家では常識のことが中国では非常識になってしまいますので、今までみなさんが日常生活で当たり前という前提をくつがえさなければ、中国という国は理解できません。

通常の資本主義国家では景気が減速すれば、一番に自由為替制度、変動相場為替制度において自国通貨は切り下げられます。
それによって、海外投資を呼び込み、新たな投資資金を呼び込むというプロセスを自動的に行うのです。

日本などは為替が円安に進むことによって、たとえば中国人によるインバウンド商品、簡単にいえば中国人の爆買いなどは有名な話ですよね。

円安によって観光客が流れ込み、その消費が景気の下支えをしているというのが現在の日本の経済の典型的な例ですよね。

一般的には輸出が拡大するといわれていますけど、現状の輸出企業は円安で金額ベースでは輸出は増えているように見えますが数量ベースではむしろ輸出数は減っています。
だから、景気がよくならないとも言われています。

つまり、景気減速をしたら自国の通貨安によって新たな投資資金の獲得や国内産業が再び息を吹き返すので景気がまたよくなってくるという自律的な景気回復軌道にのるのです。

しかし、中国は全く違うのです。
まず、みなさんもご存じのように中国は一応、変動為替相場制度を取っていますが、極端な共産党による管理相場になります。

普通利下げをしたら、極端に人民元の金利を目当てに投資をしている投資家が逃げますので人民元安になるのが当たり前の話になります。
しかし、それを共産党が逆に人民元高に誘導をしているのです。

また、外貨準備も景気減速をすれば一時的に減るのが経済の常識になります。
しかし、中国では今年になってから景気減速をしているのに、外貨準備は全然減りません。
むしろ、増えているという摩訶不思議な状況になります。

これを経済学で理解しろ、と言われても理解不能であることは明らかなのですけどね。

■中国政府の政策

中国政府の政策は、簡単にいえば、外貨を逃げさせないようにしています。
人民元高というのは、金利は減っても人民元の価値が減らないのであれば金利は目をつぶって価値が減らないなら、まだ他の国からみれば、金利は高いのだから中国国内に資金をとどめておこうという判断になる投資家が多いのは想像に難くはありません。

また、外貨準備が利下げによって海外に普通は資金が流出するはずなのに、人民元の価値は毀損していませんので投資家は中国国内にまだ資本をとどめておこうという判断になります。

しかし、先月に上海株を筆頭とする、株式が暴落をしました。
しかし、海外には資金は逃避はしませんでした。

つまり、最近の北京は国内にどうやって資金や資本をどうやって滞留させるかという方針でした。
その結果、景気が減速しようと、利下げしようと、株価が暴落しようと、海外には資本は流出をしませんでした。

■それを変えた事件

みなさんも覚えていると思いますが、日本のお盆の最中にいきなり共産党は人民元をいきなり切り下げをしました。
4パーセントの切り下げになります。

そこで、中国に投資をしている外国人が一斉に逃げ出しているというのが私の推測というより、経済を少しでも知っている人は誰でもそう理解するはずです。

いままでは、株が暴落しても人民元が下がらないので我慢をして中国国内で運用をしていてもほかにまだバブルが発生をするということに方針をファンドマネージャーが判断するのは当たり前の話になります。

なぜなら投資先の通貨がどんどん安くなっていくというのは、絶対に撤退なのです。
たとえば、今、みなさん、アメリカに投資をすると思います。

なぜなら、アメリカドルは長期的にみれば経済的にみても、人口的にみても、他の国と比較しても間違いなくドルは高いという判断に投資家はなると思います。
ですからプロも素人もアメリカに投資をするのです。

反対にアメリカドルが安くなる、すなわち円高場面では間違いなく投資家はアメリカへの投資を控えると思います。

中国は先週の利下げによって、人民元安を演出しましたので投資家が逃げ出しているのです。
金利が一度、上昇局面に入れば再び上昇するように通貨も一度安くしたら4-5年は安くなります。

中国の通貨政策が安くする方向であれば、中国人も外国人も株から逃げて当然のことになります。
人民元を下げた時点でこの中国株安が見えないないマスコミがあおった単なるマスコミの無知からきた暴落なのです。

私たちプロからみると中国株の調整というのはまだ続くと思います。

でも、中国はまた再び不動産市場を中心にまたバブルになるでしょう。

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